広報と人事の実務連携を設計する - 従業員エンゲージメント向上のための社内施策実践講座の開催報告とアンケート結果-

「エンゲージメントを高めたい」
多くの企業がそう考えています。

しかし実際には、

  • 経営は理念や戦略を掲げる
  • 人事は制度を作る
  • 広報はメッセージを発信する

と、それぞれが努力しているにもかかわらず、従業員の体感としては「バラバラの施策」になってしまうことが少なくありません。

こうした課題をテーマに、日本経営協会東京本部主催のもと「従業員エンゲージメント向上のための社内施策実践講座」を2026年2月12日に開催しました。
本セミナーは、日本経営協会が利用するWEBセミナーサービスDeliveruを活用したオンライン形式で実施されました。

日本企業のエンゲージメント課題

米国ギャラップ社の世界各国における調査報告書によると、日本企業の従業員エンゲージメントは、依然として世界最低水準にあると指摘されています。

しかしこの結果とは裏腹に多くの企業では、

  • パーパスを掲げる
  • 社内報を作る
  • 1on1を導入する

など、さまざまな施策を行っています。

それでもうまくいかない理由は何でしょうか。

今回のセミナーでは、その原因を次の構造で説明しました。

制度(ハード)とメッセージ(ソフト)の分断

企業の施策は大きく分けると

  • 人事が作る制度(ハード)
  • 広報が作るメッセージ(ソフト)

の2つがあります。

しかし、この2つが連動していないと、

  • 制度はあるのに使われない
  • メッセージが「きれいごと」に見える

などの状態が生じてきます。

これに対応する考え方として提示したのは、次の公式です。
System(制度) × Emotion(共感) = Engagement
どちらが欠けても、エンゲージメントは生まれません。

EXジャーニーマップで従業員体験を観察する

本セミナーでは、もう一つの重要なツールとして「EX(Employee Experience)ジャーニーマップ」(出典:あまねキャリア )を紹介しました。

これは、従業員の経験を採用、入社、配属、評価、退職といった「ジャーニー」として整理する考え方です。

この視点で見ると、

  • 入社後の孤独
  • 評価のブラックボックス化
  • 退職時の関係断絶

など、エンゲージメントを下げる要因が見えてきます。

人事と広報の「越境」

今回のセミナーの特徴は、人事と広報の視点を2名の講師(河原畑剛、美奈子・ブレッドスミス)の知見の通じて組み合わせたことです。

制度だけでも、メッセージだけでもエンゲージメントは高まりません。

人事と広報が越境して連携すること
これが今回のセミナーの中心テーマでした。

ご参加いただいた方からのお声

アンケートでは

  • 適切だった:60%
  • どちらかといえば適切だった:40%

という結果となりました。

アンケートのコメント欄では、

  • 経営に近い視線での人事と広報の複合的な要素を学ぶことができ、有意義だった
  • 自社の施策を俯瞰して考えることができた

といったご感想をいただきました。

来年度に向けて

人的資本経営が重視される現在、従業員エンゲージメントはますます重要なテーマになっています。
しかし、それは単なる人事施策ではありません。企業の理念、制度、コミュニケーションが一つのストーリーとしてつながることが重要です。

来年度は今回の経験をもとに、さらに内容を発展させた講座を検討していきたいと考えています。