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Webサイトのレギュレーションはルールブック。でも楽しむためのプレイブックも必要。

2016/8/26 ブログ コミュニケーション戦略, デザイン, 企業サイトリニューアル Minako Breadsmith

小さな子どもに最初にサッカーを教える時、あなたはまずはルールを教えますか?
それとも、思いっきりボールを蹴る楽しさを教えますか?

最初にメッシのスーパープレイを観たり、ボールを蹴る楽しさを実感したりした子どもは、ますますサッカーへの情熱が高まっていくことでしょう。

上手くプレイするには、ルールとポジティブなイメージが必要

しかし、最初に教わったことが「ボールを手で触ってはいけない」「オフサイドラインを越えてはいけない」などの禁止事項ばかりだとしたら、子どもは不安感を覚え、委縮してうまく動けなくなってしまうかもしれません。

さて、それを踏まえて今回はWebサイトのレギュレーションの話です。

複数の事業会社を抱える本社でコミュニケーションを担当するクライアントから、こんなご相談をいただくことがあります。

「Webサイトのレギュレーションを見直したいのだけれど、どうしたら良いだろうか?」

レギュレーションを見直す際に気をつけるべきことは、どうやってデジタルメディアのコミュニケーションを楽しむか、を考えることです。マナーやルールを守りながら。

それは、サッカーを始めるときと同じです。

多くのレギュレーションは、コーポレートブランドの信頼を確保するため、ロゴの位置やヘッダー/フッターの統一を定めるなど、サイトのデザインの要素を指定するものです。ゲームで例えれば、ルールブックといえるでしょう。

ウェブサイトやソーシャルメディアは、日進月歩で技術やサービスが発展をつづけています。
各社が新しい媒体や手法を使っていこうというタイミングで、ルールの方が追い付いていないことも多々あります。

自社媒体だけでなく、ソーシャルメディアなどの社外プラットフォーム上にコンテンツを投稿、蓄積していくことも一般的になってきています。

そのような環境の中では、サイトのデザインだけがブランドの統一感を保つものではありません。すべてのフェイスブック投稿やインスタグラムの写真なども、ブランドの明暗をわけるコミュニケーションコンテンツなのです。

とはいえ、コンテンツに含まれるメッセージの機微にまで、統一感や制約を持たせようとすることは現実的ではなく、サイトデザインのルールブックでは、ブランドの信頼を確保するための条件を語りきることはできないのです。

現状のデジタルメディア活用において、ブランドの信頼を毀損しないために何が必要であるかを改めて考えることが大切です。

まずは、ウェブサイトのデザイン統一に主眼を置いたルールブックについては、制約をかける情報については最小限にします。
その代わりに、ブランドの信頼を確保するためのプレイブックを作りましょう。

コミュニケーションをより良くするためのヒントがつまったお手本やヒントがつまったプレイブックです。

わが子たちも、サッカーのプレイブックを見ながら、「この足技で相手を抜いてみよう」とか「仲間にパスを出すコツはこうだ」とか、はたまたプロ選手のプレーを観ながら、ここがすごい!あれがすごい!と、上手くなるためのヒントを得て、日々練習しています。

本社のコミュニケーション担当者が各事業会社に協力を求めても難色を示されることがあります。なぜなら「また、本社が縛るルールを増やすかもしれない」という懸念があるからです。

しかし、レギュレーションで制約する項目を減らし、自由度を高めるための具体例や、コミュニケーションが向上するためのコツなど、上手くなるためのヒントを共有するプレイブックがあったら、その態度は変わるかもしれません。

「デジタルメディア上で共に良いプレイヤーになろう、良いプレイヤーになるサポートをするよ。」
そういう気持ちで声をかけてみるのはいかがでしょうか?

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