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英語対応の先にあるグローバルコミュニケーションとは?
2017/6/22 お知らせ, ブログ グローバル・海外広報, コミュニケーション戦略
調達、開発、製造、広告、販売などの事業活動を通して、多くの企業が、海外との何らかの接点を持っています。
大手の日系企業においては、ウェブサイトの多言語対応を進めることが当たり前となっており、昨今ではアニュアルレポートや統合報告書が英語のみで発行されることも増えてきました。
私たちは20年近くにわたり、国境を越えて多くの地域で事業活動を行う、いわゆるグローバル企業のコミュニケーションを、定点観測しています。
その中でも世界的にブランドロイヤリティの高いApple、Coca Cola、Unilever、GEなどの企業と比較して、グローバル市場で活躍する日系企業(主に本社)のコミュニケーションには、いくつかの課題があることがわかりました。
一つ目の課題は、英文です。
これについては、過去にご紹介した「広報のプロによる、グローバル向け英文メッセージ作成」をご参照ください。
もう一つの課題は、多様性(ダイバーシティ)と包含(インクルージョン)の考え方が組織に取り入れられていないことです。
たとえば、
- 写真や動画などのビジュアルコンテンツで日本人ばかりが表出している
- 日本、海外(日本以外)または、日本、外国人(日本人以外)など、自国中心的なメッセージ表現
- 言及される社会課題が日本社会を中心としている
- ダイバーシティ活動が女性のキャリア支援に限定されている
- 経営陣の顔ぶれに、年代、性別、国籍などの多様性がない
というようなことです。ウェブサイトや統合報告書などの媒体は、組織の実態を映し出しています。
つまり、真にグローバルで受け入れられるコミュニケーション活動を進めていくには、多言語対応などの表層にとどまらず、多様な価値観が共存する社会における組織の在り方を問うことが求められます。
具体例をお話ししましょう。
2012年、IKEA がサウジアラビア向けのカタログから女性を削除したことが、ジェンダー不平等を正当化していると抗議の声が数多く上がり、ソーシャルメディア上で炎上したことがありました。その後、IKEAは、現地のフランチャイズが行ったことであり、IKEAの考え方に反すると声明を発表しました。参考情報:IKEA Edits Women Out of Saudi Arabian Catalog (TIME.com)
グローバルビジネスの進展とともに、反グローバルを訴える人の存在も強調されてきました。
多様性に配慮したコミュニケーションといっても、IKEAの例のような二枚舌は受け入れられません。
複雑なビジネス環境を生き抜くためには、経営者をはじめコミュニケーションの主幹事が、組織の社会に対する想いや考えを改めて確認し直す必要があります。それを従業員ひとりひとりが自分の職務と結びつけて理解することで、組織に属する者としての正しい判断できるようになります。組織の考えに基づいて適切に判断ができれば、前例のないアイデアを実行する時も、困難な問題に直面した時も、従業員がスピード感と柔軟性を持って対応することができます。
まずは、経営者の理解を得ることからスタートしましょう。この課題を解決するためには、経営企画、人事、IR、広報などが組織横断的に連携をはかり、共通の戦略を持つことです。
この戦略は、コミュニケーション戦略に留まりません。企業ブランド戦略です。
私たちの意味するブランド戦略は、ロゴやデザインなどのVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)の話ではなく、すべての事業活動において社会に一貫性を持って価値を提供するための戦略です。
私たちのクライアントの中には、コミュニケーションの見直しからはじまり、この課題に気づいて、組織横断的に話し合うことになった方もいらっしゃいます。
「どう語るか」だけでなく、「何を語るか」に中心軸を据えて、私たちは企業の共通言語をお作りするご支援をしています。
詳しいご支援の方法については、お気軽にお問い合わせください。
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