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年間300万人の求人応募を受け、8.5万人の従業員を有するGoogle社が求めるスキル、評価するポイントはどのようなものか?
グローバル規模でその働き方が高く評価されているGoogle社は、そのポイントを「Google Re:Work」というコンテンツプラットフォームで公開している。この巨大組織を動かし、リーダーとしてチームを牽引する人とは、一体どのような素質を持っているのだろうか。
「Google Re:Work」で公開されていた「自社のマネージャーに求めるポイント」に、今年以下の2点が追加された。
それは、
1. Collaborates across Google(Googleを横断するコラボレーションを行う)
2. Is a strong decision maker(強い意思決定ができる)
である。
今年追加された2点は昨今のトレンドを大きく表していると考えられる。
まず、一つ目は「Googleを横断するコラボレーションを行う」である。
IT業界では特に様々な開発者やチームメンバーと協議してプロジェクトを動かす必要がある。その為にはどうしても縦割り組織を超えて業務を遂行しなければならない。
特に他部門との連携が重要とされているのは企業の広報部門だ。
広報部門の業務の一つとしてメディアや社会に会社の考えや商品を紹介する役割がある。商品開発に直接携わらない立場でありながら、誰よりも会社や商品を理解していなければならない。そうなると、他部門との連携は必須と言ってよいだろう。
例えばコンテンツを作成するにしても紹介したい人や物、それらにまつわる背景や意図を洗い出し、社会に理解を得られるようにアウトプットする必要がある。つまりは、効率的な情報収集と日頃からの社会傾聴を背景とした情報編集スキルが求められるのだ。
メディアに情報を公開するのも社内イントラに情報を配信するのも広報部門であるものの、情報オーナーは各事業部であることが多い。他部門との連携は会社全体のシナジーを生むと共に、社外から見た自社の姿に統一感が出るだろう。結果としてブランドの明確化、市場ポジションの確立に繋がるはずだ。
次にGoogleが追加したもう二つ目の要件「強い意思決定ができる」人であることについて紐解いてみよう。
どの組織にも必要な要素だが、広報部門は特に悩ましいポイントだと思う。一つ例にあげるとSNSの情報発信である。ソーシャルメディアにおける情報発信は、スピードと正確さが重要であり、何より行動力が試される。行動力の根底には強い意思決定とその速さが必要だ。
多くの広報担当が頭を抱える炎上案件には意思決定の薄弱さに根があるケースが多い。デジタル時代の今日、SNSやネット動画サイトをソースとして作られるテレビニュースも多々見受けられる。このような環境の中で配信する情報を素早く選択し、タイムリーに配信することは広報担当のデジタルコミュニケーションスキルとして必須と言ってよい。人の興味関心や話題の流れが加速した今だからこそ意思決定の適確さと早さが重要とも言える。危機管理も同様、日頃の備えの上で、問題発生から素早く丁寧な対応することは社内外の信頼を取り戻す第一歩である。
情報があふれるメディア環境下において、企業や商品の素晴らしさを伝えることは、今まで以上に大きなチャレンジである。部門それぞれにミッションが異なる中、組織間のコラボレーションにはハードルが生じるものだが、広報部門から企業の魅力と理念を最大限に発信するには、そのハードルを越えていかなければならない。
Googleが新たに追加した「マネージャーに求めるポイント」は、広報人材にも必要なスキルではないだろうか。
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