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広報組織改革元年のススメ
2019/4/23 お知らせ, ブログ 企業広報, 傾聴, 社内コミュニケーション
新年度が始まり、5月からの新年号が「令和」に決定して話題となっている。
令和元年の本年は、広報組織改革元年とすることをお勧めしたい。
1.受動的組織から能動的組織へ
一般に広報組織の機能は、自社情報の発信が主なミッションではないだろうか。
新製品や人事、決算リリースなど、主に「ME」を「YOU」に知って欲しいという「欲求からくるもの」や、社会的責務として、また法対応として「義務的に」お知らせするといったものだ。
宣伝業務を担っている一部の広報組織を除けば、社内や社外で何か起こったから会社の姿勢を発信するという、いわば「受動的組織」であるともいえる。
外の社会と、社内の橋渡し役ともいえるだろう。
新年号の本年は、心機一転、重要な橋渡し的役割をキープしつつ、「能動的組織」へ脱皮をしてはいかがだろうか。
2.社会傾聴を始め、社内への提案組織へ
社会傾聴とは文字通り、社会の声に耳を傾けるということだ。
これは大きく
①業界や社外の声に耳を傾けること
②自ら、意見を聴取するプラットフォームを開設し積極的に社会の声を集める
の2つに分けられる。
①については、PR系エージェンシーの新聞・雑誌クリッピングサービスで毎朝自社名や業界、予め設定したワードに関して書かれている記事を取り寄せている会社も少なくないだろう。会社としては、営業部署等が業界団体の会合、展示会などでお客様の声を聴く機会もある。あくまでも担当者がそれをイントラネットなどで社内に共有していれば申し分ないわけだが、これからは広報部員も積極的に業界や外との会合に接点を持つようにしてはいかがだろうか。
実はこのメリットは大きい。
第一に第三者の評価を、人を通ずることなく生で聞くことができること。
第二に頑張っている社員を理解し、広く事業や他部署理解につながること。
第三に同業他社の動向を間近にみることができることだ。
このような「材料」が集まることで、客観的に自社の優劣がはっきりわかってくる。
②については、お客様相談室などに加え、ソーシャルメディアをつかった発信と傾聴のハイブリッド体制を築くことをお勧めしたい。
ここでの発信とは、商品のプロモーションではなく、会社の姿勢や、社会貢献活動を示すいわば「コーポレート」ページだ。
会社の立ち位置を示すことで集まるコメントは業界などにとらわれない一般人の声に近いものといえる。
BtoB企業でも、C(個人顧客)へのアプローチの必然性を感じ、SNSのファンページがトレンドになってきていることも事実である。
これらの社会の声を集めた上で、正確に分析し経営層や主幹部署に伝えることや、改善策を社内に提案することで能動的な広報組織へと変貌できるはずだ。
3.社内の隅々に広報血管を通わせる
社内の動きや機微を事前に把握し、メディア露出の段取りをするなど、計画した時期にプレスリリースが出来たらこんなによいことはない。
メディアに取り上げられるかは別として、常に自社の優位な点を探し、表出させようとする欲求は広報パーソンであれば自然なものだ。
しかし、普段ごととして社内の情報が広報組織に集まってくるかといえば、現実問題別の話である。
経営会議に同席している広報パーソンも少なくないだろうが、上程される案件の他に上程し得ない案件、温めている案件、スタートアップ案件など各事業部が行っていることを把握している方はそれほど多くないはずだ。
ネタがない、集まらないといった悩みは、自ら取りに行くことで解決できると考える。
デジタル時代になってもなお、足で稼ぐ方法は有効である。
「広報体制の充実のために、なにか情報があったらご連絡をください」
と一本メールを配信するのではない。普段から社内を歩き、こちらから何かないかアプローチする姿勢が大切である。
各部署、部署に、心通じる仲間を作り、相手の仕事を理解し、ご自身の仕事を理解していただくことが、情報が集まってくる最大の近道だと考える。
4.段取りからの目標達成
計画的に物事を進めるために、最も重要なことは「段取り」にほかならない。
受け身で、新商品が出来たから、リリースの準備をするのではなく、予め情報を自ら取りに行き、体裁や、リリースの範囲、イベント企画等より従前から整えられるだけでも、「改革」といえるのではないだろうか。
ローマは一日にして成らず。
しかし、歩み始めなければ何も変わらない。
令和元年、能動的組織への道を歩みはじめたい。
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