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インスタグラム、ツイッター、フェイスブックに及ばず、企業や団体によるソーシャルメディア活用の事例は枚挙のいとまがありません。
『SNSの動向整理』(総務省、2016年12月)※1によれば、企業におけるSNSの活用目的は「認知向上」が最も多く、次いで「販売促進」。
「製品開発」や「サポート」を目的とした活用はまだ少ないのが現実です。

「認知向上」を掲げるのは簡単ですが、実際に社会からの信頼を伴った認知、つまり企業のブランド認知を獲得することは、そう簡単ではありません。企業ブランドを象徴するコンテンツや顧客の期待に応えるコンテンツを継続的に発信するなど、時間と共に信頼を醸成する必要があります。

一方、「製品開発」や「サポート」は顧客からの信頼に直結します。ここでの満足度を向上させることは、結果的に企業への信頼、つまりブランド認知向上にも貢献するのではないでしょうか。

今回は、私の個人的な体験を交えながら、ある企業のソーシャルメディア活用の事例をご紹介します。

KLMオランダ航空の「サポート」面のソーシャルメディア活用

※2 KLMオランダ航空公式ウェブサイト 2019年10月25日時点

KLMオランダ航空の公式ウェブサイトには、複数のお問い合わせ方法があります。
ツイッターやフェイスブック、ワッツアップなどのメッセンジャーアイコンが並んでおり、24時間対応についても明示されています。顧客が使い慣れているソーシャルメディアのメッセンジャーでコンタクトしてください、という姿勢を感じ、この時点でKLMオランダ航空に対して好感を抱きました。
実際に使ってみると、基本的にスレッドに問い合わせのやり取りがすべて並び、記録が残るかたちになります。レスポンスも早く、日本時間で週末の夜半、返信は15分足らずで返ってきました。
これらのいいところは、後日改めて連絡を取った場合にも、過去のやり取りが残っているので、説明しなおす必要がありません。
こうした経験からKLMオランダ航空を選べば何かあった際にも「手間が省ける」「返答が早い」という期待が生まれ、私や家族がヨーロッパに行くときはKLMオランダ航空が候補としてあがります。

「サポート」面をインスタントにすることで顧客の信頼を獲得
先に紹介した調査では、「サポート」にソーシャルメディアを活用している企業は多くないことがわかりました。しかし、顧客のお困りごとや課題に手を差し伸べられれば、これこそ信頼に直結します。
KLMオランダ航空と同等の仕組みを整えるには、相当な投資が伴いますが、顧客が企業に期待するのは、プロモーションコンテンツをタイムラインで見せられるよりも便利か否かが優先されるのです。

完璧な「サポート」システムを求めないまでも、「認知向上」だけではないソーシャルメディア活用の可能性をぜひ探ってみてください。

出典元:
※1 『SNSの動向整理』(総務省、2016年12月) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/pdf/adjustments_index_1_170111_0001.pdf
※2 KLMオランダ航空 公式ウェブサイト https://www.klm.com/home/jp/ja

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