お知らせ

現下、新型コロナウィルスの影響でビジネスのあり方や働き方が大きく変わろうとしています。
最近は盛んに「ポストコロナ」(コロナウィルス収束後)のライフスタイルが取り沙汰されていますが、確かに「全てが以前のまま」というわけにはいかないでしょう。

広報・コミュニケーションに携わる人にとって、この時期は役員やマネジメント層に「将来、会社がどの様に変わっていくのか」をインタビューをし、そこから会社のメッセージを作っていくのも良いと思います。
なぜなら、それらのメッセージを事あるごとに、あらゆる媒体に載せて発信することで、企業の考えをいち早く社会に届けることができるからです。

現実には、国内企業の多くはあまり率先してメッセージを発信したがらず、現在のような社会的なリスクに接した際、他企業の動向を見てから行動・発信する傾向があります。
自社が率先してメッセージを発信することで、万が一リスクに直面し失敗した場合、ブランドを失墜させる恐れがあるからです。

この傾向一つをとってみても、広報・コミュニケーション部門が企業組織の中で情報発信の主導権を取れていないことを垣間見ているようです。
多くの企業はこの時世においても、自社ウェブサイトのトップページに商品を掲載し、彼らのサービスや商品の販売拡大を図ります。
コロナウィルスの世界的流行以前から企業ウェブサイトは機能的情報(データや商品スペックなどのファクト)が多く、意味的情報 (想いや理念、考えていること)が少ない為、余計にそういう印象を持つのかもしれません。
しかし多くのステークホルダーが知りたがっている情報は意味的情報であることに私たちは気づかなければなりません。

職業柄、年間に相当量の企業ウェブサイトを見ていますが、近年、一部の先進的な企業を中心にこうした意味的情報を率先して出している会社も増えてきました。

代表的なのが自動車メーカーのGMです。
現在の彼らのウェブサイトのトップページは、企業として「如何に新型コロナウィルスに対応しているか」を多岐に渡って広報しています。
まるで医療メーカーサイトを見ているかのようです。
自社のウェブサイトは、直接のステークホルダーだけでなく、自社員やその家族も見ています。
ですから、対外的な広報(External Communication)ばかりでなく、身内に対する広報(Internal Communication)も意識しなければなりません。
企業がその理念に基づいたメッセージを積極的に発信することは、社会とのつながりを可視化することにもなります。ブランドや社会との信頼形成の基礎的役割を形成しているのです。

自社のウェブサイトに自らの指針に基づいた行動、意味的情報が乏しければ、流行であるソーシャルメディアで何を発信しても後ろ盾がないのと代わりありません。
現下、このような事態になったからというわけではありませんが、これを一つのきっかけとして、企業の想いを是非積極的に発信されてはいかがでしょうか。

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