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感性の合意形成を図る
2020/6/24 お知らせ, ブログ デザイン, 企業ウェブサイト, 企業サイトリニューアル
会社の蔵書の中に「Web Design Index」(2000年ーPepin Press)という9巻に及ぶ洋書があります。
写真のように厚みのある本です。
この本は、当時のWEBサイト999のトップページをテーマカラー別にひたすらキャプチャーしています。
評論や解説は一切ありません。
当時は、いわゆる「WEBの標準化」が行われる以前で、当然ソーシャル・メディアもありませんでしたから、企業のオウンド・メディアであるホームページは、現在よりもその企業の顔として位置付けれらていた反面、「どんなデザインにすればその企業のイメージを代表できるのか?」については制作会社のデザイナーに委ねられていました。
クライアントはイメージするデザインを思うように言語化できず、また、デザイナー側も要件を汲み切れずに工期がコントロールできなかったり、双方に妥協が生じたり、遅延が余儀なくされたりすることも少なくありませんでした。
そこで私は当時、打合せにこの本を持ち出して、双方のイメージギャップを埋めつつ、プロジェクトを進めるためのコミュニケーションツールにしていました。
同じグリーンがイメージカラーの会社でも、そのグリーンを全面に使うのか、キーカラーに使うのか、その感覚値をクライアントが制作会社に伝えるのはなかなか難しいものです。
また、目まぐるしく変化するウェブのトレンドをどの程度取り入れるか、無難な構成か最先端のものか、クライアント企業と制作会社との間に立つコンサルタントとして、双方の感覚を伝えていただくのに、この本で紹介されているサイトを見ながら、イメージを具現化していきました。
感覚はあくまでも感覚であり、定性情報です。
そのもやっとしたものを、この本を“ものさし”とすることで、両者のすれ違いは最小化され、何度も同じやり取りをしたり、双方妥協をしたりせずプロジェクトを進めることができました。
現在は当時と比べて圧倒的に多くのWEBサイトが出現し、いくらでもベンチマークできる時代ですが、この様に定性的な想いを定量化することは重要だと思います。
さらに、WEBページのアクセス解析が手軽で標準化されつつある今日においては、そのデザインが閲覧者に受け入れられているのかを客観的かつ、定量的に分析してデザインを刷新することも新たな課題となってきたのではないでしょうか。
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