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Googleは、2023年から自社開発のAIサービス「Gemini」をリリースしたことを皮切りに、さまざまなサービスへのAI機能搭載を加速させています。その1つとして、2024年にはYouTubeの視聴とクリエイティブ体験をアップデートする新機能が試験的に導入されています。

本記事では、特にユーザーにとっての大きな変化となる「Conversational AI(会話型AI)」「AI Video Summaries(AI動画要約)」の2つの機能をご紹介し、今後企業のコンテンツ配信担当者が留意すべきポイントについて解説します。

参考リンク:https://blog.youtube/inside-youtube/2024-in-youtube-ai/

視聴体験が変わる!YouTubeに実装された2つのAI機能とは

  1. Conversational AI:動画を「見ながら、話して、深く理解する」

    「Conversational AI」は、動画を視聴しながらAIと対話できる機能です。当初は米国のYouTube Premiumユーザー向け(18歳以上)に試験導入されていましたが、現在は英語設定の米国ユーザー(18歳以上)が使用可能となっています。今後対象となるユーザーが広がることが期待されています。

    主な機能:

    • 動画内容に関する質問: 料理動画で紹介された食材の代用品を尋ねたり、専門的な内容について解説を求めたりできます
    • 関連コンテンツの提案: 視聴中の動画に関連する他の動画をおすすめしてくれます
    • 内容理解のクイズ: 教育系コンテンツの理解度を測るために、AIにクイズを作成させることができます
    • これにより、視聴者は動画を一方的に見るだけでなく、AIとの対話を通じてより深く、そしてパーソナライズされた情報取得が可能になります。

  2. AI Video Summaries:視聴前に「AI要約」で動画の概要を把握

    「AI Video Summaries」は、動画の内容をAIが自動で要約し、概要欄の上に表示する機能です。 これにより、視聴者は動画を再生する前に、その内容が自身の求めるものかを素早く判断できるようになります。検索結果画面でもAIによる要約が表示されることがあるため、ユーザーはより効率的に目的のコンテンツを見つけられるようになります。

企業にとってのメリットとリスク——AI導入で見えてくる課題とは

これらの新機能は視聴者にとって利便性が向上する一方で、企業のYouTube運営担当者にとっては、新たな課題とチャンスの両面を持ち合わせた変化であると考えています。
リスク:AIによる情報の要約や解説は、いわば「ブラックボックス」の中で生成されます。日進月歩でその精度は高まっているとはいえ、企業が意図したメッセージとは異なるアウトプットが提供される可能性はゼロではありません。動画そのものは企業側が責任を持って発信していますが、要約は企業がコントロールできないため、視聴者に誤った情報が表示されたり、誤解を与えてしまったりするリスクが懸念されます。
チャンス:これらの新機能をうまく活用できれば、視聴者のコンテンツ理解を助け、エンゲージメントを高める強力なツールにもなり得ます。

企業のYouTube活用で今から意識しておきたい3つの視点

YouTubeに導入された「Conversational AI」と「AI Video Summaries」は、視聴体験においてAIが能動的に介在する新たなフェーズを示しています。今後、企業のYouTube活用においては、こうしたAI機能によってどのように自社コンテンツが表示・要約されるかを意識した動画設計が重要になります。
特に、以下のような取り組みが求められます:

  1. 正確なチャプター設定や字幕入力など、AIが情報を正確に読み取れる構造を整備する
  2. AI生成された要約の内容を継続的にモニタリングし、必要に応じてコンテンツ側を調整する
  3. 意図しない要約による誤解を防ぐため、動画本編でも明確なメッセージ設計を心がける

AIによる要約や対話機能は、ユーザーの理解とエンゲージメントを高める大きな可能性を持っています。だからこそ、「AIにどう伝わるか」を意識したコンテンツ設計が、企業のブランド発信力を左右する時代が始まっていると言えるでしょう。

クロスメディア・コミュニケーションズでは、YouTube動画の企画・撮影・編集や運用支援などを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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