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エンゲージメントとストーリーテリング

2015/7/17 ブログ SNS運用, コンテンツ企画, 企業レピュテーション Kaz Amemiya

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マーケティングサイドからの広報(日本で一般的に認知されているPR?)でも、5年ぐらい前から「エンゲージメント」や「ストーリーテリング」が言及されるようになってきました。
しかし海外企業のようにコーポレートコミュニケーションの観点からストーリーテリングしてソーシャルエンゲージメントにつなげる活動をウェブ(コーポレートサイトおよびソーシャルメディア)上で展開する企業は日本ではまだまだ少ないようです。

ご紹介する事例は各企業の単なる事業紹介ではありません。
具体的な活動事例を通して、会社の考えや想いを伝えることが目的になっています。

味の素さんは食品や調味料が世界的に有名な会社ですが、本来はアミノ酸の研究開発が事業の核になっていることは一般にあまり知られていません。その研究開発や技術が「医療」、「バイオファイン」、「食」の3分野への展開され、その融合から新しい製品を生み出しています。それだけでなく環境や生態系の調査、震災復興支援など、CSR活動と研究活動がビジネスと乖離せずに一体となって実施されているのも魅力です。

オリックスグループは金融関連の事業をメインに50年、事業会社も国内外に100社以上多角的に展開しています。野球チームは有名ですが、なぜオリックスさんが埼玉県に100%リサイクルの資源循環工場(ごみ処理施設)を持っているのか?なぜ北海道千歳のレンタカーの受付はグランドホテルよりも広々としているのか?運営するすみだ水族館は、一般的に臭いといわれるペンギン水槽の隣になぜカフェを開設できるのか?事業を展開する際にオリックスグループが大切にしている気持ちがそこにあります。

地域に愛される会社にならなければ商売は成り立たない。どの鉄道会社さんもおっしゃることです。地域の魅力を切り取って可視化すること、それによって地域の人たちは京阪さんが自分たちを理解してくれている事を知り、親近感を覚えます。

オリイメックさんは「知る人ぞ知る」プレス自動化装置をはじめ、工業ばね製造機や超音波金属加工のトップ企業です。今まではカタログ然としたウェブサイトを持ち、データやスペックを情報開示できていればよいと考えていました。理念やビジョンでいくらきれいな言葉を並べても、現場の迫力なしには伝わらないのがBtoBかもしれません。今回は海外へのビジネス展開も見据え、短時間で会社の力がわかるビジュアルにこだわったリニューアルを実施しました。

どの会社も外向けのコーポレートコミュニケーションであると同時に、そこで働く人、あるいはこれから働こうと思う人にとっても誇りと自信と喜びにつながるインターナルコミュニケーションとなっています。まさにエンゲージメント・ストーリーテリングなのではないでしょうか?

近年はこのようなコミュニケーション展開に価値を理解してくれる経営層が増えてきました。しかしそのきっかけを提示できるのは現場の担当者です。「良いことをしている」だけでは理解されにくい世の中」になってきました。今まで以上に「伝わりにくいことをわかりやすく伝える努力」が必要なのかもしれません。

エンゲージメントの本質は「言ってもらえる関係づくり」です。
「そうだったのか」「しらなかったよ」「よく見ているなあ」。そんな印象から企業に対してコメントや助言、共感が生まれます。それが次のビジネスを生むヒントになるかもしれませんし、リスクヘッジにもなります。

味の素
http://www.ajinomoto.com/jp/features/story/

オリックスグループ
http://www.orix.co.jp/grp/

京阪電気鉄道
https://www.keihan.co.jp/

オリイメック
https://www.oriimec.co.jp/

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