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2015年コミュニケーション5大ニュース【2】求められる「持続可能な発展」
2015/12/25 ブログ CSR, IR, グローバル・海外広報, サステナビリティ
今日はクリスマス本番です。12月25日というと「キリストの誕生日」と思われている方も多いと思いますが、どうもこれは正しくないとする説が有力のようです。実はキリストの正確な誕生日の記録が残っておらず、キリストが誕生したときに出現した「ベツレヘムの星」(クリスマスツリーにも先端に飾りますよね。)は、土星と木星が重なって明るく見えた、土星と木星が重なっていた、ハレー彗星だった、等諸説あり、それぞれ紀元前7年9月15日、紀元前2年6月17日、紀元前12年、などまったく異なる日付になるようです。
結局、正確な誕生日がわからないので、冬至祭に合わせて12月25日になったのでは、という考え方もあるようです。復活祭も古くからの習慣に合わせたとも言われているので(なのでイースターエッグやイースターバニーなど、キリスト教とは直接関連のないものが登場しますよね。)、クリスマスも既存の冬至祭と合わせた、というのも納得できます。
それでは、2015年コミュニケーション5大ニュースの第2弾です。
2.COP21「パリ協定」締結、SDGs採択・・・求められる「持続可能な発展」
気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催され、「パリ協定」が採択されたことは記憶に新しいと思います。一方、9月に「持続可能な開発サミット」において国連加盟国によって「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、その中に持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)が含まれていたことはご存知でしょうか。実はこれ、各国の目標という政府レベルの話だけではなく、企業にも直接関係があるのです。さらには企業といっても大企業だけではなく、中小企業にも関わりがあります。
まず、第一に考えられるのはCSR関係部門です。環境負荷をなるべくかけないように企業活動を行うことはすでに多くの企業で取り組まれていることと思います。ここにSDGsという具体的なゴールが設定されたことにより、当該企業活動のうち、このゴールに沿った内容をコミュニケーションしていくことが考えられます。
次にIR部門も関係してきます。国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)が2006年に提唱したPRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)には、機関投資家が投資分析と意思決定のプロセスにESG(Environment, Social Responsibility, Corporate Governance)の課題を組み込む、と記載されるなど、投資先選定においてESGが重要視されており、全世界で約1,400の投資機関(そのうち日本は約30機関のみ)がこの原則に署名をしています。世界的な投資の潮流の中で、ESGを語らないことは考えられないのですが、日本でPRIに署名している投資機関が少ないせいか、はたまた日本版スチュワードシップ・コードにESGの課題が記載されていないせいか、日本企業はまだESGに対する意識がそれほど高くはないように見受けられます。
今後は、特にグローバルに活動を展開する企業は、このような世界標準に則ったコミュニケーションをしていくことが求められてきます。例えば、すでにユニリーバやダウケミカルなどは自らの事業活動とSDGsの関連を見出し、今後の取組について訴求しています。ただ、いずれも日本法人のサイトでは明確にはこのコミットメント全体が訴求されていないのが残念ではあります。これもまだ日本社会にSDGsが浸透していないことの証左かもしれません。
一方で、事業に関係ない事項で「SDGsに沿った環境活動や寄付活動をしていますよ」と訴求することはむしろ企業の評価を下げる一因ともなりえます。事業活動に関係ない環境活動等の事項に投資していることは、一見「良いこと」ではありますが、収益が芳しくないときには真っ先に打ち切られてしまうことから「社会的責任の放棄」と見られてしまう恐れがあることや、「その活動に投資することがどのように収益に結びつくのかわからない」と投資家の理解を得ることが難しくなってしまいます。
大企業であっても中小企業であっても、グローバルに活動する以上はSDGsを無視することはできません。もっとも、何でもよいからこれらの指標を達成する、ということを目的とするのではなく、事業活動をしていく中でその事業に関連する指標を達成する、というスタンスでCSR活動やIR活動およびそれぞれの訴求ポイントを見直してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は年明け1月4日更新の予定です。すでに2016年になりますが、残り3回、引き続きお付き合いください。
それでは、皆様、良いお年をお迎えください。
(かきはら)
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