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ストーリーコンテンツって何が良いの?(1/2)

2016/2/10 ブログ コンテンツ企画 staff

一昨年から昨年にかけて、「コンテンツマーケティング」がWebのトレンドキーワードでした。
分かるような分からないこのキーワード、思い切り極端にまとめると「ユーザーにとって魅力的なコンテンツを作りましょう」ということです。10年ほど前のSEO初期の頃は、「魅力的なコンテンツ」とは「用語集」や「解説記事」など。ソーシャルメディアが一般化した今では、「魅力的なコンテンツ」には、こうしたユーザーにとって役に立つ情報に加えて、企業独自の取り組みを、共感を得られやすく拡散しやすい形で編集・発信し、ユーザーにファンになってもらおう!というものも含むようになっています。


マーケティングは、Webの普及により「関係性のマーケティング」が主流になっています(ビッグデータもこれをさらに推し進めるものとなるでしょう)。コンテンツマーケティングとは、良質なコンテンツを通じて、関係性のマーケティングを実践しようというものなのです。

海外では、コンテンツマーケティングの考え方を企業サイトでも採用し、企業が独自に「ストーリー」と言われるコンテンツをつくって企業サイトやソーシャルメディアでさかんに発信しています。
この「ストーリー」も分かるような、分からないようなキーワード…。いったい何が良いの?

ストーリーの何が良いのかを、ほんの少しだけ私の物語も織り交ぜながら、2回に分けてご紹介します。

ネタがない…

私は、記者、PR会社、広報実務の3つの立場を経験しました。
日本国内でも、世界的に見ても、かなりまれなキャリアだと思います。
広報実務に従事していたとき、私は常に、ある悩みを抱えていました。

「ネタがない…」

そこで、記者の経験を活かし、えいやっと社内キャラバンをしてネタをひたすら集めたのですが、話を聞いた社員の数が10人を超えた頃に、はっと気が付いたことがありました。
「使えそうなネタは結構あるじゃないか。今まで、パブリシティにとらわれてマスコミにとっての情報価値の有無だけで判断していたんだ。確かにその枠組みの中ではネタとしては弱い。でも、斬り方によっては自社の評価があがりそうな良いネタばかりじゃん。」
ネタを集めた後の私の悩みは…。

「どこで発信したら良いんだろう?」
「どう表現したら良いんだろう?」
「どこで発信したら?」と悩んだら、広報誌などの媒体をつくってしまうか、自社の媒体である企業サイトや、ソーシャルメディアを活用できます。

基本的にはパブリシティ業務に従事していた私は、まずは、社外向けの情報発信では記者向けの情報提供ツールを多種多様にしていきました。社員にフォーカスしたり、取り組みにフォーカスしたり、過去の発信済みの情報をトレンドにあわせて文脈をまとめ直して提供したり。
すると、従来は「ストレートニュース」での報道ばかりだった状態が、社員への取材が増え、コラムでの扱いが増え、パブリシティの幅が拡がり、掲載が増えることで新たな取材を呼ぶ好循環が生まれていきました。
せっかくつくったツールをマルチユースして活かそうと、社内勉強会を自主的に企画して社内共有するなどしていました。

「どう表現したら良いのか」に関しては、基本的な考え方としては、できるだけ解釈の余地を少なく間違いがないようにお伝えしたいネタのときには、感情を排して事実を際立たせていくアプローチが有効でした。パブリシティ関連業務で言えばプレスリリースはこちらに該当します。
一方で、できるだけ「想い」をお伝えしたい、共感してもらいたいときには、物語風であったり、写真・動画などを使ったり、感情に訴えるアプローチが有効でした。パブリシティで言えば取材誘致を狙うのであれば、こちらの方法の方が興味を引きやすかったです。記者の経験を踏まえて記者心理を想像すると、企画・特集記事の最終形をイメージしやすいからだろうと思います。

私は意気揚々と、新しいツールでの情報発信や、そのツールを活かした社内勉強会を実施。
充実感に満ちた気持ちの中で、数回これらを実施し、次の企画を考えていたとき、ふと立ち止まってしまいました…。

「ちょっと待てよ。このネタ、あんまり関係がない人たちに興味あるの?」
ここまで来て初めて、「読み手目線」の重要性を腹落ちできたことをはっきりと覚えています。

と、このように、ちょっとでも物語風(ストーリー)にして、広報実務に携わる皆さまの悩みに寄り添って表現した方が、私の想い(「読み手目線」や「社内取材の徹底」の重要性)が、より一層、伝わりやすくなりませんか?

次回は、こうした物語風の表現と、事実を中心にした表現との違いをご紹介します。

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