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日本におけるコーポレート・コミュニケーション考①
2018/10/31 ブログ
日本企業にも「グローバル・コミュニケーション部」や、「コーポレート・コミュニケーション室」という部署が組織化され始めてきた。
この背景には、日本企業が「国と国」の二国間を超えた、「多国間」でのグローバルコミュニケーションの必要性を感じてきたことに起因しており、言い換えれば、日本の企業統治システムがDiversity(多様性)、Global(多国間)の中で受け入れられづらい背景があるとも推察できる。
日本企業の多くは「社外」との接点を営業、宣伝、広報部署に任せ、「社内」との接点を人事・勤労部署と広報部署に担わせている傾向がある。
社外との接点は、販売促進に重きが置かれ、直に売上につながりやすくアピールを担っている営業・宣伝部署がその役割をなし、広報部署は「企業信頼を得るため」の「社会義務的なアナウンス」を行う役割を担ってきた経緯がある。
一方で社内の接点を人事勤労部署が担っている。
これは企業が労使関係を重要視している証左であるとも言える。
労使関係が複雑な歴史を経て、労働者を守る観点から労働関係法が成立し、“労務を制するものは会社を制する”ともいわれるほど労務が生産性に大きく寄与していているからだ。
コーポレート・コミュニケーションの「コミュニケーション」はそのまま外来語として使われているだけに、砕いて伝えるのが意外に難しい。
一例として「コミュニケーション」は『意思疎通や伝達』と訳すことができる。
「コーポレート」が頭に付くことによって、コーポレート・コミュニケーションは、企業が社内外に行う「意思疎通・伝達」の「全て」を担うことになるから、端的に説明することは当然、困難だ。
それだけ、社内外との接点、営業・宣伝と広報、人事勤労すべてを俯瞰している人材は少ない。
コーポレート・コミュニケーションは
・ 社外との接点をExternal communication
・ 社内との接点をInternal communication
として捉えることができる。
さらに企業は、External communicationを、
・ 商売のための「販売促進」
・ 企業信頼のための「会社情報アナウンス」
に合理的に細分化していると捉えることができる。
では、社内に対する「Internal communication」はどうだろうか。
・ 規則の周知は人事勤労担当部署が上長を経由して社員へ周知
・ 広報担当部署が社内報発行
しているのが、一般的なカタチであろう。
社員であろうと、社外のステークホルダー、部外者であろうと、企業が発信する情報はすなわち『企業の考え』として伝わる。
だから、企業の考えはなるべく同じ部署が、同じことを発信することが望ましい。
Internal communicationにおいては、担当部署が規定等を整備し施行したとしても、あくまで広報部署が一括して伝え方を考え、その周知、理解深化を進める役割を担うべきである。
次回は、なぜ広報部署が「企業が信頼を得るためのExternal communication」と「Internal communicationのすべて」を担うべきなのかについて考えてみたい。
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