お知らせ

ある日、通勤で表参道の地下通路を歩いていると、壁面に沢山の封筒がペタペタと張り付いていました。
これはエルメスがインターネット・ラジオ局をオープンするというプロモーションで、封筒の中にはインタ-ネット・ラジオへの招待状と記念のステッカーが入っています。

メンズブランド強化のためにエルメスが選んだPR媒体が、なんとインターネット・ラジオ局だったのです。

インターネットでは今日、音声コンテンツが見直され、海外のブロガーもこぞってポッドキャストを配信する傾向にあります。
世界的にスマホの普及に伴って、インターネットへのアクセスはモバイル経由が主流になりました。そして、PCの前でインターネットしていたのとは異なり、WEBへのアクセス時間が短くなる傾向にあります。
インターネット上の情報量は日々刻々と膨らむ一方で、接続時間が短くなってきているわけですから、並大抵の努力ではサイトのアクセス数を稼ぐことが難しくなってきています。

刺激的な画像や動画が一般化する中、次に目をつけたのが「耳からの情報」です。
音声は情報量が限定的と思われがちです。

しかし視覚で訴えるコンテンツと違って“ながら”聴取が出来るメリットもあります。
一方で、6月に行われた企業コミュニケーターの国際組織「IABC」のワールドカンファレンスでは数年ぶりに紙媒体の会報が復活していました。
モバイル端末による隙間時間のインターネット閲覧に長文は向かないといえるのかもしれません。

各社の新聞記事も見出しは1面、詳細は別ページなど、数ページに分けていますし、携帯では「つかみ」を得るところまで、本当にじっくり読ませるところは冊子に印刷して配ったほうが良い、ということなのだと推察されます。
また、紙に印刷することで改ざんされることを防ぐことや、郵送によって特定の人へ確実に届けることができるアナログならではのメリットがあります。

音声コンテンツブームや紙媒体の再来は、「インターネットは“無料”で“手間なく”“多くに人”へ届けられる」という幻想から立ち返り、今一度「誰に」「何を」届けるべきなのか、を真剣に考えてメディアを選ぶ良い機会なのかもしれません。

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