お知らせ

企業の広報・コミュニケーションは、情報技術の進歩によって、この20年から30年で大きく変わってきています。

特にインターネットが普及し、情報を「持っている人」が強い世の中から、「共有度の高い人」がそのポジションを得るようになってきました。

その影響からか、日本新聞協会の調べ(※1)によると、2000年に5,370万部あった新聞の発行総数は2019年には3,800万部を割り込んでおり、特に近年においては年間200万部も減少しています。

私が約30年前に広報の仕事を始めた当時は、インターネットも普及しておらず、その主な仕事はマスメディアに対する「メディア・リレーション」でした。

当時勤務していたは外資系の半導体企業は基本的にBtoBビジネスでしたから、社内用語は英語ばかり。

マスメディアの向こう側にいる多くの視聴者、読者にわかりやすく伝わるように腐心していました。
それでも外来語が多く、イラスト付きの小冊子を制作して配ったり、新聞や経済雑誌の担当記者さんにご理解いただくまで説明を重ねたりと、随分と苦労したものです。
併行して、自分たちの会社にはどんな人がいるのか、そもそもどんな会社なのかを冊子で紹介する活動も積極的にしていました。

当時マスコミの産業部が集まっていた大手町の鎌倉橋

今でいうところのコンテンツマーケティングとでもいいましょうか。

時間はかかりましたが、このようなコミュニケーション活動のおかげもあって、ビジネスの面でも採用の面でも変化があったように思います。

それまでは外資系半導体メーカーのイメージは、「厳しい」「冷たい」「儲けることに割り切っている」というようなものが多かったのですが、このように時間をかけ、市井の皆さまに納得していただくようなコミュニケーションプロセスを経ていくことで、業界全体の理解促進に寄与していきました。

現在はマスメディア並みにソーシャルメディアの影響力が強くなってきていますが、重要なことは同じです。

1,会社の方向性を正確に理解すること
2,社会の空気を読むこと
3,その社会の動きと乖離しないこと

は企業広報のみならず、経営上とても重要なことです。
故に、「伝わる」ための努力はデジタル時代になってもなくならないのです。

※1 新聞の発行部数と世帯数の推移(日本新聞協会経営業務部調べ)
https://www.pressnet.or.jp/…/circulation/circulation01.php

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