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新任の広報担当者にお伝えしたかったこと

2020/5/11 ブログ ソーシャルメディア, メディアリレーション, 企業広報 Kaz Amemiya

本来であれば、4月、5月の時期は、新任向けの広報セミナーが複数開催されているはずでした。
やむを得ないことですが、今年はコロナウィルス禍の影響を受け、軒並み延期や中止となっています。
世間では数多のセミナーが開催されていますが、こと広報に関するセミナーは元々開催数が少なく、広報部門を担う者にとっての学びの機会は、セミナー会社主催のものに参加するか、それぞれの会社で培ったノウハウを脈々と踏襲しているのが現状といえます。

外部からの学びの機会が少ないことは、企業において広報部門の積極的活用が進まない一つの原因ではないかと考えています。
広報部門へ異動されたご新任の担当者には、広報の基礎として、まずメディア・リレーションのお話をしています。しかし、昨今デジタルメディアの隆盛で、マスメディアの影響力も変わっているのも事実です。私のセミナーでも、WEBやソーシャルメディアなどのデジタルツールを利用した広報術に関する問い合わせが多くなってきました。
情報は新聞・テレビなどで知るより、企業公式や社長のツイッターなどの一次情報による発信の方が早いといった一面もそれを助長しています。

デジタルツールを利用した広報活動に関する需要が高い一方で、マスメディアの記者さんとの関係づくり(=メディア・リレーション)も企業信用を作っていく大切な活動の一つであることから、丁寧にお話しているつもりです。

広報関連の書籍にはしばしば、
「広報担当者は無料でマスメディアが自社をプロモートしてくれると思いがちだ」
と書かれています。言い方を変えれば、
「マスメディアに取り上げられることは、無料の自社プロモーションと勘違いしている」
ということです。

某経済誌に何回掲載されるかを年度目標にされているというコミュニケーターのお話も伺います。
記者の皆さんはすべからく目的があって日々取材を行なっていますので、マスメディアに取り上げられるためには、言わずもがな相手(記者)の気持ちになり「何が求められているのか」を考えることです。

広報コミュニケーション担当者は、
「どうしたら自社の製品やサービスを紹介してもらるのか」
ではなく、各々のメディア特性を理解した上で、
「自らのメディアの価値を高めてくれる企業だと記者に認識される」
という視点が重要です。

メディアやツールは時代とともに変化します。
それらをいち早く積極活用している企業は、決してツールの使い方に長けているわけではなく、「人と人との信頼醸成」を十分理解された上で社会と対峙しているからこそ、積極的に発信できるのです。

ご覧くださっている新任コミュニケーターの皆さんには、こんな視点でマスメディア研究してみてはいかがでしょうか。

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