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Internet Explorerのサポート終了に伴う社内・社外コミュニケーションに関わるインフラの考え方

2021/6/1 お知らせ, ブログ デジタルメディア, リスク・危機管理, 企業サイトリニューアル Kusumegi

2021年5月21日、米マイクロソフトはWebブラウザ「Internet Explorer」(以下、IEと表記)のサポートを2022年6月15日に終了すると発表しました。Windows 95の普及からメインブラウザとして一時代を築きましたが、2000年代後半には「Firefox」や「Chrome」等の新たなブラウザが登場し普及したことによりIEは大きくシェアを下げることになりました。IEの利用率は減少したものの、開発から26年以上の長きに亘ってサポートされた歴史あるブラウザとして注目され続けてきました。日本国内においては、2021年4月時点で約3%ほどのシェアが残っており、海外の0.7%と比べて根強いファンがいたことを示しています。

ビジネスシーンにおいては、IEがイントラネットやコーポレートサイトの標準環境に設定されているケースも少なくありませんでした。

図 1 Internet Explorer の市場シェア推移, 1995–2019
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1881869

IEだけでなく、Adobe Flash Playerのサポート終了も2020年に発表されました。
これらの主要なインターネットサービスの終了に見られるように、デジタルツールの栄枯盛衰を如実に感じることが多くなってきた昨今、企業は自社のデジタルツールの利用状況や基準を見直す必要があると考えています。
マイクロソフトの調査によると、大企業においては平均約1,678個ものレガシーアプリが存在すると言われています。IEに依存しているレガシーアプリやイントラシステムの刷新が不可能な場合は、マイクロソフトのEdgeブラウザに搭載されているIEモードを使うことも可能で、マイクロソフトは自社のブログにてEdgeのIEモードを2029年までサポートすると公開されています。

コロナ禍に伴いビジネスのデジタル化と新しい技術への依存が進むなか、デジタルインフラがリモート環境で働く社員の生産性等のビジネスに直接的な影響を与える時代に変化してきています。システムのメンテナンスやサーバーのセキュリティ等、以前よりシステム管理のサイクルが加速しており、導入だけでなく、社員が使う上でのサポートやバージョン更新等に対する体制構築や社内連携が鍵となると考えます。

ITの基盤がコミュニケーションのリスクになっていないか、コミュニケーションの観点からもITリテラシーをもって現状把握と課題の洗い出しをすることが重要です。社内で利用するイントラネットやコミュニケーションツールの利用状況やユーザーが使用する際の満足度等を定期的にチェックするなど、一度棚卸ししてみてはいかがでしょうか。また、外部向けのWEBサイトや社外のデジタルツールについては、サーバーのクラウド化やサイト内に利用している要素の更新など、将来のWEB利用を想定したメンテナンスも重要な項目の一つです。

コミュニケーションを円滑に行うために必要な「モノ」は、時代に伴い変化していきます。その「モノ」が進化するにつれ、それを使う人々との接点も進化するはずです。その接点がどう変わり、今後その繋がりをどのように維持し続けるかを考えることがコミュニケーション担当の役割ともいえると思います。

広報業務はデジタル化によって大きなターニングポイントを迎えています。
広報・コミュニケーション部において、新たなニーズに応じたコミュニケーション手法を調査・検討する仕組みや社内連携があるかどうか、今一度ご確認いただきたいと思います。多様で柔軟な働き方やライフスタイルに適したコミュニケーションのあり方にアンテナを張り、社員の働きがいと組織の生産性や創造性を両立させる施策によって新しい価値を生み出していきましょう。

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