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生成AIとのコミュニケーションのコツ! ~2つの生成AIモデルにおけるタスク処理を比較~
2024/12/25 お知らせ, ブログ ChatGPT, Gemini, インターナル・コミュニケーション, コミュニケーション人財, コミュニケーター, プロンプト, 新しいコミュニケーション, 生成AI, 生成AIモデル
AI技術が急速に進化する中、その活用方法も多岐にわたるようになりました。しかし、どんなに優れたAIであっても、タスクに応じた適切なモデル選択がなされなければ、その真価を発揮することはできません。特に長文タスクにおける文脈の理解や出力の正確性は、モデル選択の重要性を浮き彫りにします。
本記事では、2024年12月6日時点で最新の生成AIモデルであるGemini 1.5 Pro、GPT-4oを取り上げ、それぞれの特徴を比較・分析します。さらに、長文タスクや短文タスクでのパフォーマンスを検証し、適切なモデル選択がいかに生成AIとの対話の質を高めるかについて考察します。読者の皆さまが自社のニーズに最適なAI活用を実現できるよう、実践的なヒントも交えて解説していきます。
生成AIモデルの特徴比較
生成AIモデルの選択で重要なポイントは、それぞれのモデルの特性を理解することから始まります。本節では、GoogleのGemini 1.5 Pro、OpenAIのGPT-4oという2つの主要なモデルの概要を紹介し、それぞれの特性やトークン数制限、適用可能なタスクについて概要をまとめました。
Gemini 1.5 Pro
Gemini 1.5 Proは、Googleが提供するAIモデルで、特に大規模な長文タスク、マルチモーダルへの対応に強みがあります。「マルチモーダル」とは、複数の異なる形式(例えば、テキスト、画像、音声、動画など)を組み合わせて情報を処理・理解する技術やシステムのことを言います。
入力トークン数の上限:200万トークン
出力トークン数の上限:8192トークン
※ AIにおける「トークン」とは、テキストデータを処理する際の基本単位のことを指します。
例えば、「AIは素晴らしい」という文をトークン化すると、「AI」、「は」、「素晴らしい」の3つのトークンに分けられます。
用途:長文の文字起こしや議事録作成、複雑なタスクを処理可能
参考:Google公式ウェブサイト Gemini 1.5 Pro
GPT-4o
GPT-4oはOpenAIが提供するモデルで、幅広いタスクで高い成果を出すことが可能です。
入力トークン数の上限:12.8万トークン
出力トークン数の上限:16,384トークン
用途:メール・文書作成、アイデア出しなどの一般的なタスクを高い精度で出力
参考:OpenAI公式ウェブサイト GPT-4o
用途の違いとトークン数について
これらのモデル間の大きな違いは、トークン数制限にあります。Gemini 1.5 Proの入力トークン数上限200万は、文脈を広く保持しながら処理する能力を提供し、長文タスクに最適です。動画に置き換えるとおよそ2時間分の内容を理解できることとほぼ同義になります。一方で、GPT-4oは12.8万トークンまでの対応で、長すぎるファイルやプロンプトに対して不得手という特性があります。
このような違いを理解することで、目的に応じたモデル選択が可能になり、より精度高く成果物を得るためのアプローチを選択できるようになります。
長文タスクでの生成AIモデル比較と分析
長文タスクでは、生成AIモデルがいかに文脈を正確に理解し、成果物を生成できるかが鍵となります。
本節では、1時間20分の記者会見の文字起こしをテストケースとして、議事録を作成させてGemini 1.5 ProとGPT-4oのパフォーマンスを比較し、それぞれの特性について分析を行いました。
テストケース:記者会見文字起こし
テストに用いた会見文字起こしは、複数の話者が入り混じる長文データでした。このタスクでは、文脈を正確に保持しながら内容を処理する能力が求められます。また、トークン数の制限が処理結果に与える影響も注目ポイントです。本ケースで使用した文字起こしの分量はおおよそ6万トークンでした。
Gemini 1.5 Proのパフォーマンス
Geminiは、大量の入力データを取り込む能力に優れており、会見文字起こしのタスクにおいても、以下のような成果を出しました。
- 文脈の保持:200万トークンという入力上限のおかげで、全体の文脈を損なうことなく処理が可能
- 正確な出力:内容に忠実な出力を生成し、重要な情報を漏らさず提供
- 課題への対応:部分的に分断された出力になるケースはあるが、全体としてタスクを完了
Geminiのこの特性は、議事録作成や複雑な会話の解析など、長文タスクにおいて非常に有効であると考えられます。
GPT-4oのパフォーマンス
一方、GPT-4oは長文タスクにおいても独自の特性を示しました。
- スムーズな出力:適切にプロンプトを設計することで、特定のセクションに焦点を当てた出力が可能
- 短文タスクでの応用性:長文全体を処理するよりも、内容を小分けにして処理するアプローチに適している
- 精度の工夫:短い文脈の範囲内で高度な出力を行い、部分的な要約や分析に優れた結果を提供
GPT-4oは、長文タスク全体の処理よりも、セクションごとに区切った作業や焦点を絞ったタスクに向いています。この点で、効率的な活用が可能です。
短文タスクの比較と分析
短文タスクにおいては、生成AIモデルの反応速度や精度、タスクの意図をどれだけ迅速に理解し反映できるかが重要です。先ほどの長文タスクと同様に、短めの文字起こしをテストケースとして、GPT-4oとGemini 1.5 Proのパフォーマンスを比較し、それぞれの得意分野を分析しました。
テストケース:短めの文字起こしタスク
本比較では、1万トークン以下の短めの文字起こしデータを使用しました。
Gemini 1.5 Proのパフォーマンス
Geminiは短文タスクにおいても安定した結果を提供しましたが、特性として以下の点が挙げられます。
- 詳細な文脈保持:トークン数の上限が高いため、短文であっても背景情報を含めた出力が可能
- 全体最適化:タスク全体を視野に入れた出力を生成する傾向があり、長文の一部としての短文処理に適しています
- 処理速度:短文タスクでも一定の時間を要する場合があり、即応性の面ではGPT-4oに一歩譲ります
Geminiは短文タスクにおいても有用ですが、その特性は長文タスクでのパフォーマンスを最大化する設計に最適化されています。
GPT-4oのパフォーマンス
GPT-4oは短文タスクにおいて、以下の点で優れた性能を示しました。
- 即応性:短い文脈の中で迅速にタスクを処理し、スムーズな出力を提供。
- 精緻な出力:短文においては、高い言語理解力に基づく正確で洗練された出力を生成。
- 柔軟性:短時間での要約や簡潔な表現が求められるタスクにおいて特に効果的。
GPT-4oの特性は、メール作成やソーシャルメディア投稿、簡易的な会話内容の要約など、短文中心のタスクで強みを発揮します。
目的に応じたモデル選択がより良い「対話」のカギ
AIは、単なる情報処理ツールではなく、利用者と「対話」する存在として活用される時代に入りました。そのため、生成AIを効果的に活用するには、適切なモデル選択とプロンプト設計が求められます。
モデル選択が対話の質を大きく左右する
生成AIモデルの選択は、タスクの種類や求められる結果に依存すると考えます。
長文タスク:Gemini 1.5 Proは、膨大なトークン数を扱える点で、文脈の正確な理解と出力の品質を両立させる
短文タスク:GPT-4oは、迅速かつ正確な応答で、短いタスクにおいて効果的なパフォーマンスを発揮
適材適所のアプローチ
生成AIモデルを活用する際には、次のような視点を持つことが重要です。
- タスクの特性を見極める:対象となるタスクがAIに何を求めるか、具体的なタスク内容を理解する
(例:長文処理を伴うものか、短文で解決可能なものかなど) - プロンプトを工夫する:AIが正確に意図を汲み取り、期待される結果を出せるよう、適切なプロンプト設計を行う
- モデルの強みを活かす:GeminiやGPT-4oの得意分野を理解し、それぞれの強みを活かすタスク設計を心がける
生成AIとの「対話」を考える
生成AIモデルとのやり取りは、一方的に指示を出すのではなく、目的に応じて設計されたプロンプトと生成AIの応答を通じた双方向のコミュニケーションです。たとえば、長文タスクではAIが文脈全体を正確に把握できるようなプロンプト設計やモデル選択が必要です。一方で、短文タスクでは明確で簡潔な指示が求められます。利用者自身が生成AIの特性を理解し、共に最適な結果を追求する姿勢を持って生成AIモデルとの「対話」を真かさせることが、より良い活用のカギと言えるでしょう。
本記事で比較した通り、現時点では長文にはGemini、短文にはGPT-4oが適しており、タスクの特性に応じたモデル選択が成果を左右することがわかりました。
生成AIは万能ではありませんが、適切なモデルを選びプロンプトを工夫することで、その可能性を最大限に引き出すことができると考えます。ぜひ皆さんもこれらの情報を参考に、ご自身で試してみていただければと思います。
(オノデラ)
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